(3)鼻軟骨損傷(びなんこつそんしょう)

(1)病態

鼻筋を指でつまむと、左右に動かすことができるのですが、それは、軟骨であるからです。
鼻の根元、鼻骨は、しっかりとした骨であり、鼻軟骨の下に位置しています。

鼻の構造

鼻の軟骨々折でも、軽度なものは、出血もなく、薬だけで終わります。

(2)症状

事故直後から、鼻筋が、大きく左右に曲がる、中央部が凹むことがありますが、鼻骨骨折を伴っていなければ、軟骨の弾力性で一時的な変形を来したものであり、それほど心配することもありません。
しかし、現場で曲がった鼻を自分の手で矯正することはタブーで、絶対に行ってはなりません。

(3)治療

大きく腫れてくるまでに、急いで、耳鼻咽喉科を受診します。
尾骨骨折の有無を確認するために、XP検査が行われ、触診で、ズレや曲がりがチェックされます。
骨折がなく、皮膚や粘膜の傷が開いていない、出血が止まっている、曲がりや陥没が少ないときは、ペンチ状の鉗子で整復し、鼻孔に詰め物をして固定します。

(4)後遺障害のポイント

尾骨骨折を伴わない鼻軟骨の損傷であれば、後遺障害を残すことなく治癒します。