(1)耳介血腫(じかいけっしゅ)

耳介血腫
耳介血腫

(1)病態

耳介は、軟骨の上に、軟骨膜と皮膚を貼り付けたような形であり、耳介が強く擦られると、皮膚と軟骨の間が剥がれて隙間ができ、そこに血液が溜まって、紫色に腫れ上がります。
溜まった血液=血腫が、軟骨への血液供給を遮り、軟骨は壊死して耳が変形するもので、傷病名は、耳介血腫といいます。

この変形は、力士耳、カリフラワー耳と呼ばれ、相撲、柔道、レスリング、ボクシング、ラグビーの選手によく見られるのですが、交通事故でも、歩行者、自転車やバイクの運転者に多発しています。

(2)治療

隙間に溜まった血液は、注射針で吸い取っても、直ぐに、血液が溜まってくるのです。
完璧に治癒させるには、隙間をなくす形成術を受けなければなりません。
耳介血腫を繰り返すと、その隙間を埋めるように、軟骨が盛り上がり、耳介が変形します。
耳介の変形では、形成術で、新しくできた軟骨を切除する治療となります。

放置すると、元に戻ることはありません。
耳介は硬くなり、付け根が切れやすくなります。

※耳介
耳介は、軟骨の折れ曲がるヒダにより、集音と音の方向性の確認に有効な役割を果たしています。
耳たぶは、ヒダの凸凹で音の違いを拾い、共鳴させることにより、音を外耳道に送り込んでいます。
耳介の後に手をかざすと、音が大きく聞こえるのですが、耳介は、集音作用の働きをしています。

「 私の耳は貝のから、海の響きをなつかしむ 」
フランスの詩人、ジャン・コクトーの詩を、堀口大学さんが訳したもので、心に響く2行の詩です。
耳介は、貝殻に似ています。

(3)後遺障害のポイント

耳介裂創のところで、まとめて解説しています。