(15)突発性難聴

(1)病態・症状

文字通り、突然に発生する難聴で、通常、片耳に発生するのですが、稀に、両耳に発生することもあり、また、耳鳴りやめまいが難聴の発生と前後して発症することがあります。
さらに、めまいには、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
内耳の蝸牛が、なんらかの原因で障害を受けたと予想されるのですが、その原因は不明で、内耳の障害の原因としてウイルス感染説、循環障害説などが疑われています。

(2)治療

突然に難聴が発生したときは、難聴の原因がどこにあるかを診断する必要があります。
そのためには、耳鼻咽喉科での診察、耳のX線検査、純音聴力検査が必要となります。
症状により、精密な聴力検査や平衡機能検査、MRI検査も必要になります。

難聴の発生直後の早期に治療を開始するほど、聴力が改善するといわれています。
遅くとも発症から2週間以内に治療を開始するのが望ましく、1カ月を経過すると、予後は極めて不良になり、通常は著しい改善が望めなくなります。
人口100万人あたり約275人と推測され、おおよそ3分の1は完治し、3分の1は回復するが難聴を残し、3分の1は治らないとされています。
少し前に、浜崎あゆみさん、最近では、キンキキッズの堂本剛さんが罹患したとニュースになりました。

(3)NPOジコイチのコメント

交通事故と因果関係の認められないメニエール病、良性発作性頭位めまい、前庭神経炎、突発性難聴の4つの疾患を取り上げたのは、事故後に、これらの症状を訴える被害者が多いからです。
とくに、電話では、時間が限られていることや、顔が見えないこと、また、頚部捻挫では、類似した症状を示すバレ・リュー症候群があり、事故との因果関係を判断することができないからです。

被害者にしてみれば、事故前にめまいの症状がなく、事故後に発症したものであれば、本件事故により、めまいを発症したと考えます。このことはやむを得ません。
しかし、事故とは因果関係のないめまいも、実は多発しているのです。

そこで、事故後にめまいの症状があれば、医大系の神経耳鼻科を受診し、①メニエール病、②良性発作性頭位めまい、③前庭神経炎、④突発性難聴の可能性を探ってください。
いずれかの病名が診断されたときは、いずれにしても、事故との因果関係は認められません。
そのモヤモヤを払拭し、改善のための治療を健康保険適用で続けるのです。

それらが否定されたときは、つぎに、麻酔科の医師が運営するペインクリニックを受診するのです。
頚部交感神経の損傷を原因とするバレ・リュー症候群と診断されたときは、整形外科と並行して通院を続け、交感神経ブロック療法を受けるのです。
2週間に1回の星状神経節ブロックを2カ月も続ければ、改善は得られます。