(49)右腓骨筋腱周囲炎(みぎひこつきんけんしゅういえん)

2015年5月3日、広島の黒田博樹投手が、出場選手登録を抹消されました。
チームドクターの診察では、右腓骨筋腱周囲炎と発表されています。
開幕から、慢性的な痛みがあり、アイシング治療を続けてきたが、改善していないとのことです。
そこで、箸休めですが、腓骨筋腱炎を検証してみます。

腓骨筋腱炎 (ひこつきんけんえん)

右腓骨筋腱周囲炎

(1)病態

上図は、オレンジ色が短腓骨筋、青色が長腓骨筋で、どちらも、足首を外へ返す働きをしています。
○印は、腱鞘の中を、長・短腓骨筋腱が並んで走行しています。
腓骨の下部骨端に付着した腓骨筋腱は、膝の外側の下から足首の外くるぶしの後を通り、足の甲に付いていて、足を外返しするときに使う筋肉で、下半分は腱で構成されています。

そうです、右腓骨筋腱炎は、下腿に発症する腱鞘炎なのです。
黒田博樹投手は右投げですから、右が軸足となります。
右足を強く踏ん張る動作の繰り返しで、炎症を起こしたものではないかと予想されるのです。

(2)症状

腱鞘炎ですから、患部の痛みと腫れです。
メジャーに比較して、日本球界のマウンドは、やわらかい?
マウンドの斜面では、日本球界の角度は、急である?
マスコミでは、こんな指摘がなされていますが、右足への負担がどうだったのか、今のところ不明です。

(3)治療

発症の原因となっている動作が制限されます。
保存的に、テーピングや外用剤で湿布を行いますが、関節の拘縮を防止する必要から、リハビリでは、軽いストレッチが行われています。痛みが激しいときは、ステロイド注射を併用します。
いよいよ改善が得られないときは、腱鞘の切開術が行われ、圧迫を開放しています。

(4)後遺障害のポイント

ほとんどは、保存療法で改善が得られます。
改善が得られなくても、腱鞘の切開術で完治しますから、後遺障害は残しません。

私は、勝っても負けても阪神タイガーズ、虎キチですが、20億円を蹴飛ばして広島に戻った黒田博樹投手の男気には、喝采をおくっています。
1日も早く回復され、男気ピッチングを続けて欲しい、阪神から広島の4番に戻った新井貴浩は、黒田をサポートするホームランを量産して欲しいと願っています。
その黒田さん、新井さんも引退されました。
広島カープは、丸がFAで巨人に移籍し、代わりに巨人から長野がトレードされています。
さて、2019年のタイガースはどうなるのか?