損保の説明に納得できないが、反論する材料がない?
そんなときは、刑事記録を取り寄せて、精査、分析して反論する方法が残されています。
人身事故の発生では、管轄の警察は、自動車事故過失傷害罪で加害者を検察庁に送致しなければならず、事故現場で実況見分を行います。
警察官は現場を計測し、事故当事者から事故状況の指示説明を受けて、それぞれの位置の路面にチョークで印を付けるのですが、このとき、警察官の質問は以下の3点です。
①貴方が相手車を発見した地点は?
②危険を感じた地点は?
③そして衝突した地点は?
これは、なかなかに工夫された聴き取り方法で、嘘でごまかすことが困難になるのです。
例えば、相手を発見した地点と危険を感じた地点、衝突した地点が同一のときは、当たって初めて気がついたことになり、著しい前方不注視で、過失割合は、加害者に加算修正されることになります。
200分の1に縮小した交通事故現場見取図に、先の印を記載したものを実況見分調書といいます。
この事故現場見取図をもとに、当事者が事故に至るまでの経緯を詳しく説明、それを警察官が書き写したものが供述調書となり、実況見分調書と供述調書を刑事記録と呼んでいます。
※刑事記録の取り付け方法?
①管轄の警察署交通事故係に出向き、加害者の送致日、送致先検察庁、送致番号を聞き取ります。
②検察庁記録係に出向き、送致日と送致番号を告げて、刑事記録の謄写を依頼します。
検察庁記録係が謄写・閲覧可能かを教えてくれます。
刑事記録は、相手の刑が確定していれば、謄写・閲覧が可能です。
平均的には、交通事故の発生から4カ月を経過していれば、謄写が可能です。
相手が不起訴や起訴猶予処分のときは、刑事記録の謄写は不可能ですが、実況見分調書に限っては、取りつけることができます。
検察庁によっては、謄写サービスを行わないところがありますが、こんなときは、弁護士に依頼してコピーを入手することになります。