Q1 電車内で喫煙している高校生に注意し、暴行を受けた?

A 実に勇気のある行動ですが、通勤災害の認定は困難となります。

電車内での暴行

労災保険法7条では、通勤災害とは、労働者の通勤による負傷、障害または死亡をいい、通勤によるとは、通勤と相当因果関係があること、通勤に通常伴う危険が具体化したことと解説しています。
つまり、被災者の故意によって生じた災害、通勤の途中で怨恨をもって喧嘩を仕掛け、負傷したときは、通勤していることが原因となって災害が発生したものではないので、通勤災害とは認められないとしているので、本件は、これに該当すると考えられるのです。

ところが、車で出勤途中の労働者が、犬を轢きそうになり、犬の飼主に暴行された事例は、通勤災害が認められているのです?

自動車で通勤する労働者が、通勤の途中で犬を轢きそうになることは、通常発生し得るできごとであり、また、この様なできごとに遭遇した場合において、当該犬の飼主が反射的に暴行におよぶこともあり得ることである。つまり、通勤と暴行に相当因果関係が認められるとしています。
さらに、本件では、飼主との間に私的な怨恨関係が認められず、被災者に加害者の暴行を誘発するような言動が一切行われていないとしています。

そうすると、先の喫煙の件を通勤災害とするには、被災者の通勤経路上の被災場所で、これまで頻繁に、犯罪が発生していたかどうか? 加害者と被災者の間に私的な怨恨関係がなかったかどうか?
被災者に災害を誘発する言動があったか、なかったのか? これらが問題となるのです。
相手は厚生労働省の官僚ですから、車内喫煙を注意することが、社会通念上、通勤に通常伴う行為であると認識させない限り、通勤災害は適用されないのです。