Q17 通勤中、善意で人助けをしていた際の受傷と労災

残業を終えた経理部の宇野さんが、マイカーに乗って約8km先の自宅に単車で向かったのは、18:30頃、途中で同じ道をマイカーで通勤する同僚の吉田さんが、エンストした車の修理をしているのに出くわしました。宇野さんは機械に詳しかったので自車を停め、吉田さんを手伝っていたところ、後方から走行してきた自家用車の追突を受け負傷しました。通勤災害は認められるでしょうか?

通勤中、善意で人助けをしていた場合の受傷と労災

A稀なケースとお考えかも知れませんが、北海道や雪国ではよく発生するのです。

S49-9-26基収第2881号では、雪道をマイカーで出勤中、後部車輪が雪に埋まり、動けなくなっている車両に出くわし、道幅が狭く、追い越せなかったため、車を降りて手伝っているうちに負傷した事例で、合理的な経路・方法による出勤の途中であったことが明らかであり、動けなくなっている車が道をふさいで、他に迂回する道もなかったところから、通勤をするためには救助する必要があったとして通勤災害を認めました。

さて、ここからが問題です。
官僚は、手伝う必要性を問題にしているのであって、善意は全く考慮していないのです。
先の事例でも、道をふさいでいた、迂回する道がなかった、だから、通勤をするのには救助せざるを得なかったと、理由をこじつけています。

通勤中、善意で人助けをしていた場合の受傷と労災

宇野さんが吉田さんを手伝ったのは純粋に善意からの行動です。
本件は、道幅が狭く追い越せない状況ではありませんから、通勤災害は認められません。
官僚は、善意の行動を合理的と考えていないのです。