Q8 踏み切りの遮断機をくぐり電車にはねられ死亡

踏み切りの遮断機をくぐり電車にはねられ死亡

弊社の従業員の山本さんが、自宅近くの線路踏切で電車にはねられ死亡しました。
事故は出勤途上の午前8時に発生しているのですが、当日、山本さんは寝坊をした様子で、いつもより遅く家を出て、踏み切りに差し掛かった際は、降りている遮断機をくぐり抜けようとして電車にはねられています。労災保険では、被災労働者の故意または重大な過失を原因とする災害は保険給付の対象とならないと理解しているのですが、本件はどのような取扱いがなされるのでしょうか?

A警報機が鳴り、遮断機が下りているにもかかわらず、これを無視して渡ろうとして電車にはねられたのであれば、歩行者といえども、一時停止、安全確認義務違反は明確で、労働者の重大な過失となり、労災保険給付の全部もしくは一部の支給制限が実施されます。

労災保険法12条の2の2で、労災保険の支給制限が解説されています。
①労働者が故意に負傷、疾病、障害もしくは死亡またはその直接の原因と考えられる事故を生じさせたとき、
②労働者が故意の犯罪行為もしくは重大な過失により負傷、疾病、障害もしくは死亡またはその直接の原因と考えられる事故を生じさせたとき、
③正当な理由がなく、療養に関する指示にしたがわないことにより、負傷、疾病もしくは障害の程度を増進させ、もしくは回復を妨げたとき、

①が立証されたときは、保険給付は一切行われません。
②労働基準法、鉱山保安法、道路交通法の罰則に違反すると認められる場合に適用され、休業給付、障害給付の30%の支給制限がなされます。
③の規定は、労働者に適正な治療を受けさせることを目的に規定されています。