Q11 早退して診療所に寄ったとき、その帰路の交通事故受傷は通勤災害となるでしょうか?

会社の庶務課の早坂さんが、勤務時間中に気分が悪くなり、会社を早退し、近くの診療所に出掛けました。 診療を終えての帰宅途上、交通事故受傷し、現在入院中ですが、これを通勤災害とすることは可能でしょうか?

A これは通勤の経路上に復していれば、通勤災害の適用となります。
先の議論ですが、早退・遅刻であっても、「合理的な経路および方法」 この限りにおいて、就業に関した通勤行為と考えられるのです。
労災保険法7条の3で、「労働者が通勤の往復の経路を逸脱し、または通勤の往復を逸脱したときは、当該逸脱または中断の間およびその後の往復は通勤としない。」 このように決められているのですが、3には、「ただし、当該逸脱または中断が、日常生活上必要な行為であって労働省令で定めるものを、やむを得ない事由により行うための最小限度のものであるときは、当該逸脱または中断の間を除き、この限りではない。」 として例外規定が設けられています。

①帰途で惣菜を購入するとき、
②独身労働者が食堂に食事に立ち寄るとき、
③クリーニング店に立ち寄るとき、

帰路に通院した場合の事故受傷

④病院や診療所で治療を受けるとき、
⑤選挙の投票に出向くとき、
官僚の考える日常生活上必要な行為は上記の通りです。
S48-11-22基発644号で上記の解釈例規が説明されています。
独身の労働者について検証してみます。
妻帯者が食堂に立ち寄った後、交通事故受傷したとき、労基署に確認をすれば、「妻帯者であれば、通勤災害の適用はできません。」 いとも簡単にバッサリ斬り捨てます。

妻が出産を控えて実家に戻っている?
妻が父親の介護のために実家に戻っている?
妻がクラス会で食事に出掛けている?
もっと簡単な例は、夫婦喧嘩して妻が家出をしている?
籍は抜けていないが、妻は3年ほど前から男と駆落ちして行方不明になっている?
帰宅が午後10時を過ぎれば、夕食の支度をしないことになっている?
上記の理由であれば、問題なく適用されるのです。
バカ正直に洗いざらい説明する前に、頭を使って考え琉必要があるのです。
通勤災害の可否判断の大部分が、この逸脱と中断になります。
次からは、これまでの例示以外のケースを検証します。