Q10 下車駅を乗り越し、徒歩で帰宅中の交通事故受傷は通勤災害となるでしょうか?

先日、会社の人事部の小林さんが4時間の残業の後、帰宅途上に会社近くでラーメンを食べ、電車に乗って帰宅しました。細かいことですが、会社では夜食としてカツ丼を提供していました。
さて、小林さんは、車内で居眠りをし、下車駅を1つ乗り越してしまいました。
下車駅に戻る電車待ちが30分以上であったところから、徒歩で帰宅中、交通事故受傷したのです。
小林さんの通勤災害の適用は可能でしょうか?

A 官僚の裁定は、いつも杓子定規で困ります。
本件でも、カツ丼を食べているのに、ラーメンを食べたことが、日常生活上、必要な行為であったのか、バカバカしいことですが、真面目に議論されることになります。
これに加え、下車駅を乗り越し、徒歩で自宅に向かったことが、合理的な経路、方法であったのかが、相当真面目に議論されることになります。

私が会社で労災を担当しているのであれば、ラーメンとカツ丼を同時に食べる人だって結構いるじゃないの、残業で腹が減ったから食った、ただそれだけのことで、どこに問題があるのと議論をシャットアウトとし、この程度のことで日常生活を問題にすることはありません。
下車駅を乗り越したのは、単に居眠りをしていたのが原因ですから、通勤行為は継続しています。
「次の電車を30分も待つ位なら、徒歩で帰宅する。」
通勤経路には全く問題がなく、電車、徒歩の選択もそれなりに合理的です。
であれば、通勤災害は適用されます。

ジャンケンをするとき、一般庶民は、どうやって勝つか? 当然ながら、これを一生懸命に考えます。
ところが、官僚は、どうしたら負けないか? ここが発想の起点となり、こればかりを考えるのです。
ありていに申し上げれば、最も合理的でない人達が、寄り集まって合理性を議論しているのです。
官僚を相手に、洗いざらい説明するのは、考えものです。
嘘を述べて請求すれば、保険金詐欺となり、露見すれば、手が後ろに回ります。
しかし、考えなく、洗いざらいを話してもいけないのです。事故受傷に至る経緯を詳細に検証し、労災保険法と照合して必要最小限の説明を行うことが必要です。
どうしていいか、分からないときは、NPOジコイチに相談してください。
連携の弁護士と協議して、問題のない結論を導き出します。