Q11 出張先の外国から帰国後、ウィルス性肝炎であることが判明?

交通事故ではありませんが、当NGOの職員である中田さんが、先日出張先のアフガニスタンから帰国しました。帰国後、身体の不調を訴え、医師の診断を受けた結果、「ウィルス性肝炎」 であることが分かり、現在、健康保険で療養を続けています。
問題は、出張先のアフガニスタンでこの病気が流行している事実です。
中田さんも現地滞在中に身体の不調を感じていたが、奥地のため医師もおらず、やむなく帰国してから診察を受けたと説明しています。出張中の疾病として業務災害の適用は可能でしょうか?

海外出張先でウイルス性肝炎に罹患した場合

A この場合は、2つの問題点が認められます。
①先ず、このウィルス性肝炎が業務上の疾病に該当するのか?
②それをどう証明するのか?
S29年、タイに出張した労働者が、帰国後、アメーバー性肝膿瘍にかかった事例で、原因がタイ出張中に病原体の付着した川エビを食べたことによると医学的に推定されたことを条件に業務上疾病の判断を下しています。これは、この病原体が、その地方一帯の川エビによく付着している事実が確認できたことが認定の大きな要素となりました。
したがって、本件の認定では、②それをどう証明するのかの要素が大きく作用します。
現地の医師の証明がなされている?
日本国内で医学上一般にそのウィルスがアフガニスタン特有のものであることが推定される?
アフガニスタンで風土病と認定されている? これらの要件が必要となります。

この場合の被災者の心構えを説明しておきます。
労働基準監督署は、要件を満たしているかの観点一本槍で判断しようとします。
この場合、被災者は業務外だとする資料はあるのかで迫ることになります。
攻防では一歩も引かない、変に納得しないこと、官僚は、被災労働者の毅然たる態度に弱いのです。