小腸は、長さ6メートルをこえる筋肉のパイプで、消化管の約80%を占めています。
上から12指腸、空腸、回腸の3つに区分されていますが、これを覚える必要はありません。
小腸の働きは栄養分の吸収と運搬、粘膜免疫システムによる殺菌作用です。
胃で破砕・消化され粥状になった食物は、少しずつ、1~3時間をかけて12指腸に送り込まれます。
太さ5cm、指を横に12本並べた30cmの長さの12指腸からは、消化液や消化酵素が分泌され、食べ物は吸収されやすい分子まで分解、消化され、ほとんどが体内に吸収されています。
食べ物と一緒に、コソコソ隠れた状態で、細菌や病原性微生物が入り込んでくるのですが、胆汁が濃い小腸上部では、増殖が困難で、病原性を発揮することができません。
胆汁の再吸収が行われる小腸上部を過ぎた頃、細菌の増殖が高まり、一部は体内侵入を試みるのですが、小腸下部には粘膜免疫が発達し細菌等の体内侵入=感染を防いでいるのです。
食後の血糖値を調節するホルモン、膵臓から分泌されるインスリンなのですが、実はこのインスリンの分泌をコントロールするホルモンが小腸から分泌されることが分かっており、この機能を利用した新しい糖尿病薬も発売されています。
※小腸の後遺障害
等級 | 内容 |
9 | 11:残存する空腸および回腸の長さが 100 ㎝以下となったもの※ |
11 | 10:残存する空腸および回腸の長さが100cmを超え300cm未満となったもので、消化吸収障害が認められるもの※ |
※残存小腸の長さを、どうやって計測するの?
小腸の生体での長さは 3m ですから、切除した長さで判断することができます。
計測しないでバケツに捨てられないように、前もってお願いしておかなければなりません。
※消化吸収障害は、BMI20以下で立証することができます。