1 上肢・手指の切断障害

(1)上肢の切断障害

等級 上肢の切断障害 自賠責 喪失率
1 3:両上肢を肘関節以上で失ったもの 3000 100
①肩関節で、肩甲骨と上腕骨とを離断したもの
②肩関節と肘関節との間で上腕を切断したもの
③肘関節で、上腕骨と橈骨および尺骨とを離断したもの
2 3:両上肢を手関節以上で失ったもの 2590 100
①肘関節と腕関節との間で切断したもの
②腕関節で、橈・尺骨と手根骨を離断したもの
4 4:1上肢を肘関節以上で失ったもの 1889 92
5 4:1上肢を手関節以上で失ったもの 1574 79

NPOジコイチでは、分かりやすく切断としていますが、医学では、肩、肘、手などの関節部で切断したものは離断、関節以外の部位では切断と言い、自賠責保険調査事務所は、欠損と表示しています。

NPOジコイチの経験則

1)過積載の大型貨物車が、山間部のカーブを曲がりきれずにセンターラインオーバーし、対向車の4トンとラックの運転席に激突したもので、4トントラックの運転者は、右上腕骨の開放性挫滅骨折、右上腕動脈の断裂などで、右肩関節から7cm下で切断となり、4級4号が認定されました。

2)幹線道路端で、パンクしたタイヤを交換中に、居眠り運転のダンプカーの追突を受け、自車と道路脇の電柱に右肘部分を挟まれたもので、上腕骨遠位端骨折、右肘関節開放性脱臼骨折、尺骨動脈断裂などで、右肘上10cmのところで切断となり、4級4号が認定されています。

3)アルバイトで、ゴミ収集を手伝っていた大学生が、左手をパッカー車の回転板に巻き込まれ、左手関節部の開放性挫滅骨折で切断となり、5級4号が認定されています。

4)仕事中の労災事故ですが、自動車部品工場で変速機の組み立て作業中、ラインに左手の前腕部を挟まれ、左橈・尺骨々幹部の開放性粉砕骨折などで、左手関節の上15cmで切断となり、5級4号が認定されています。

上肢の切断は、下肢の切断に比較すると少なく、経験則では、圧倒的に手指の切断となります。

(2)手指の切断障害

等級 手指の切断障害 自賠責 喪失率
3 5:両手の10本の手指の全部を失ったもの 2219 100
6 8:1手の5本の手指を失ったもの 1296 67
8:1手の親指を含む4本の手指を失ったもの
7 6:1手の親指を含む3本の手指を失ったもの 1051 56
6:1手の親指以外の4本の手指を失ったもの
8 3:1手の親指を含む2本の手指を失ったもの 819 45
3:1手の親指以外の3本の手指を失ったもの
9 12:1手の親指を失ったもの 616 35
12:1手の親指以外の2本の手指を失ったもの
11 8:1手の人差し指を失ったもの 331 20
8:1手の中指を失ったもの
8:1手の環指を失ったもの
12 9:1手の小指を失ったもの 224 14
13 7:1手の親指の指骨の一部を失ったもの※ 139 9
14 6:1手の親指以外の指骨の一部を失ったもの 75 5

手の指は、親指、人差し指、中指、環指、小指と言います。
親指の関節は2つしかなく、指先に近い方からIP、MCP、その他の指では、親指よりも1つ多く3つの関節が存在し、指先に近い方から DIP、PIP、MCPといいます。

手指を失ったものとは、親指ではIPより先、その他の指では、PIPより先を切断したものを言います。

ヤクザ映画で小指の第1関節を落とすエンコ詰めは、DIP関節より先を自発的に切断するものであり、
交通事故であれば、指の切断には該当しません。
ただし、交通事故で小指の第1関節を切断したときは、1手の小指の用を廃したものとして13級6号が認定されています。

※1手の親指の指骨の一部を失ったもの

指骨の一部を失ったものとは、親指では、先端部の骨の一部が失われていることがXPで確認できれば、13級7号が認定されます。XPで遊離骨片が確認できるときも同様です。
親指以外では、1等級が下げられ、14級6号が認定されています。
しかし、
親指の末節骨の長さの2分の1以上を失ったときは、親指の用を廃したものとして評価され、10級7号が認定されています。