上肢の神経麻痺

(1)上腕神経叢麻痺

上肢で最重度の神経麻痺は、上腕神経叢麻痺で、特に、C5~T1神経根の完全型引き抜き損傷では、1上肢の3大関節と手指が完全麻痺で用廃となり、5級6号が認定されています。

(2)フォルクマン拘縮

フォルクマン拘縮

肘関節骨折や前腕部の骨折でギプス固定後に多く見られる阻血性拘縮で、小児に多く発症します。
骨折部の腫脹により、上腕動脈や橈骨動脈、尺骨動脈が閉塞し、筋肉に対する血流が途絶えると、6~8時間の経過でフォルクマン拘縮が起こります。
このゴールデン・タイム内に処置しないと、取り返しのつかないことになります。
ギプス固定を終えて自宅に戻っても、お子さんが骨折部のひどい痛みを訴え、手指が蒼白で、手首で脈がとれないときは、子どもを連れて治療先に急いで戻らなくてはなりません。

対応が遅れた結果、前腕屈筋の変性や壊死、正中神経と尺骨神経麻痺などにより、1上肢の2関節の用廃と手指の用廃で併合6級が認定された2例を経験しています。

(3)正中・橈骨・尺骨神経麻痺

正中神経麻痺

橈骨神経麻痺

尺骨神経麻痺

その他では、上肢には正中、橈骨、尺骨の3本の神経が、別々の経路を辿って手指まで走行しており、神経損傷は、直接的な切断や、脱臼や骨折に伴って神経を圧迫することでも発症しています。
1上腕神経叢麻痺、2フォルクマン拘縮、3正中神経麻痺、4橈骨神経麻痺、5尺骨神経麻痺、
上記の5つの傷病名と後遺障害のポイントは、コンテンツ、「傷病名と後遺障害のキモ 上肢・手指」で解説しています。