(6)労災保険における後遺障害の申請

1)後遺障害診断書

①業務災害では、様式10号 「障害補償給付支給請求書」
②通勤災害では、様式16号の7 「障害給付支給請求書」

後遺障害診断書ですが、自賠責保険と労災保険では書式が違います。
自賠責保険では、自賠様式の後遺障害診断書ですが、労災保険では、障害(補償)給付支給請求書といい、業務災害が様式10号、通勤災害では、様式16号の7で申請することになります。
いずれも、厚生労働省のホームページから無料でダウンロードができます。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/rousaihoken06/03.html
後遺障害診断では、自賠と労災の2つの様式を治療先に提出してお願いすることになります。

2)申請

後遺障害診断書を回収したときは、受傷直後のXP、その後に撮影されたCTやMRIの収録されたCDを添付して、先ず、自賠責保険に被害者請求を行います。
なんでもないことですが、自賠責保険に被害者請求を行うときに、「認定終了後、画像CDは、私に返送をお願いします。」 このメモを入れておくと、再び治療先で貸し出しを依頼する手間が省けます。

なぜ、自賠責が先なの?
労災保険は補償保険、自賠責は損害賠償保険であり、補償保険に慰謝料の概念はありません。
労災保険は、二重請求を認めませんから、自賠責保険から支払われた損害賠償額から慰謝料額を差し引き、残った部分について、支給調整を行って支払います。
労災保険は、自賠責保険の認定等級を確認して、支給調整を実施しているのです。

労災の障害認定を先行すると、自賠責保険の等級が判明するまで、支払いは保留とされます。
自賠責保険から結果が通知された直後に、労災保険に申請することを覚えておいてください。
自賠責保険の等級認定通知書の写しを添付して労災保険に請求すると、程なく、労災保険から障害認定日の通知がなされ、この指定日に画像のCDを持参して労働基準監督署に出掛けます。
それで、一切が完了します。

自賠責保険は、Giroj調査事務所が認定実務を独占していますが、顔面の醜状痕、体幹骨の変形を除いては、後遺障害診断書と画像だけで等級を認定しています。
判断に困るもの、できないものは、地区本部・東京本部に稟議、委嘱している顧問医に確認していますが、第1次審では、損保を定年退職したお爺さんが中心となって、等級を認定しています。

労災保険は、顧問医が直接に被害者を診断して等級を認定しています。
障害認定日とは、顧問医が被害者を診察する日のことです。
1つの交通事故で、1人の被害者に対して、同じ認定基準を適用しているのですが、自賠責保険の認定は被害者に厳しく、それに比較すると、労災保険の認定は、被害者に甘いものとなっています。

労災保険における後遺障害の申請

自賠責保険が14級で、労災保険が12級のとき、どうしても納得できないときは、自賠責保険に対して、異議の申立を行うことになります。
このときは、労働基準監督署に出向いて、認定理由の開示を請求してください。
労災保険の認定理由は、いつのときでも万能ではありませんが、自賠責保険に対する異議申立の根拠の1つとなることがあるので、NPOジコイチは重視しています。