Q11 頚部に疼痛があっても14級?

頚部に疼痛があっても14級

A 労災保険法施行規則14条1項は、「対象となる身体障害の等級は障害等級表に定められたところによる。」 と規定しています。障害等級表の仕組みは、先ず、労働能力の喪失程度に応じて障害の等級を1~14級の14段階に区分し、その中で138種の類型的な身体障害を当てはめています。
この区分は、自賠責保険と同じで、人間の身体を解剖学的な観点から10の部位に分類し、次に機能面を重視した35種の系列、例えば眼であれば、視力の障害、眼球の運動障害、調節機能の障害、視野の障害の4種に分類しています。それぞれの障害は労働能力の喪失度合いに応じて一定の順序で配列され、これを障害の序列と言います。

さて、頚部に疼痛では、「神経系統の機能または精神」「奇形」「醜状」「機能」の系列から選択することになります。 本件の場合は疼痛とされていますから、奇形、醜状には該当しません。
頚部の運動可能領域が一定以下に制限されていれば、機能障害に該当しますが、この場合は、圧迫骨折や固定術の器質的損傷が立証されることが必要です。

つまり、さしたる医学的所見が認められない状況で、頚部の運動可能領域の制限を訴えても、それが今後、生涯にわたって続くとは到底考えられないからです。

頚部に疼痛があっても14級

一方、神経系統の機能または精神の障害については、脳・脊髄の中枢神経系と末梢神経系に分けて等級が決定されます。
本件の疼痛が受傷部位の疼痛に止まるものであれば、労働には通常差し支えがないが、ときには、強度の疼痛のためある程度差し支える場合があるものとして12級12号、労働には差し支えがないが、受傷部位にほとんど常時疼痛を残すものとして14級9号?の選択となります。
さらに、12級は、他覚的に神経系統の障害が証明されるもので、14級は、12級よりも軽度のものが該当するものであると解説されています。
12級の上位には9級が存在しますが、通常の労働を行うことはできるが、就労可能な職種が相当程度に制限されるものであり、私は、タクシーの運転手さんが、事故受傷後タクシーを運転できなくなった状況と理解しています。

疼痛や痺れが残存し、しばしば欠勤する状況であっても、他覚的に神経系統の障害が立証されないもの、つまり、XPやMRI上、顕著な変性が証明されず、神経学的所見に異常を示していなければ、就労可能な職種が相当程度に制限されるものとはなりません。