Q14 親子が同時に死亡、遺族は遺族補償給付を同時に受給できる?

親子の同時死亡と遺族補償給付

運送会社に勤める山下さん親子が正面衝突を受け、即死しました。
ご子息が運転、父親は助手でしたが、2人とも即死する痛ましい交通事故となりました。
ご子息は独身で父親とは同居しておりません。
残された遺族は、父と同居していた17歳の次男で高校2年生です。
父親の妻は昨年、癌で死亡しています。
17歳の次男が、父親と兄の遺族(補償)給付を同時に受給できるのでしょうか?

A 労災保険法16条の2は、「遺族(補償)年金の受給資格については、労働者の死亡当時、その収入によって生計を維持していたもの。」 と規定しています。
父親の遺族(補償)年金については、なんの問題もありませんが、兄とは別居しており、このときは、「当該遺族が死亡労働者の収入によって消費生活の全部または一部を営んでいた事実、」 これを確認しなければなりません。
つまり、別に住んでいた兄から月々○万円の仕送りがなされ、父および弟の生活の面倒を見ていた事実があれば、生計維持関係が認められ、父と兄の両方の遺族(補償)年金を受けることが可能です。

遺族(補償)年金は労災保険法16条の4で、「子、孫または兄弟姉妹については、18歳の年齢に達したとき、遺族(補償)年金の受給権利は消滅する。」 と決められており、ご質問の17歳の次男は18歳に到達するまでの1年間について遺族補償年金が支給されるに過ぎません。

では、遺族(補償)一時金について説明します。
①労働者の死亡当時、遺族(補償)年金を受ける遺族がいないとき、
②遺族(補償)年金の受給権者が最後の順位者まで全て失権したとき、
このいずれかのケースで、遺族(補償)一時金が給付されます。
17歳の弟は18歳になった時点で失権しますので、②に該当します。
本件では、給付基礎日額の1000日分-支払済みの遺族補償年金が支給されます。