Q13 内縁の妻と戸籍上の妻、遺族(補償)給付の受給権者は誰に?

別居中の妻と内縁の妻がいる場合の遺族休符

タクシー運転手の鈴木さんが、業務中の交通事故受傷で亡くなりました。
鈴木さんには、死亡当時一緒に暮らしていた内縁の妻と、その間に生まれた小学校2年生の女の子がいます。さらに、10年程前に別居はしていますが、戸籍上は妻と18歳を超える2人の子供がいます。
別居後は、妻子とは音信不通の状態です。
本件では、遺族(補償)給付の受給権者は誰になるのでしょうか?

A 労災保険法16条の2では、「年金の受給資格者は労働者の配偶者・子・父母・孫・祖父母であって労働者の死亡当時、その収入によって生計を維持していたもの。」 と規定されています。
一方、遺族(補償)一時金については、労災保険法16条の7で、「労働者の死亡当時、年金を受け取ることができる遺族がいないとき、」 と決められています。

これを先の例に当てはめます。
内縁の妻は、戸籍上の妻が存在していますので、労災保険法で説明する配偶者になりません。
戸籍上の妻がいれば、内縁の妻と呼ぶこともなく、婚姻の届出をしていないが事実上、婚姻と同様の事情にあった者でも、婚姻と同視すべき関係の準婚にも該当しません。
したがって、遺族(補償)給付の受給資格者とは認められません。

一方、法律上の妻は、長年別居で音信不通であったとしても、戸籍上の妻である限り、労災保険法でいう配偶者となり、生計を同じくしていなくても、遺族(補償)一時金の受給資格者となります。
それでは、戸籍上の妻が、一時金を取得するのか、そうではありません。

内縁の妻との間に生まれた小学校2年生の女の子は、鈴木さんの認知を受けていますから、鈴木さんの死亡当時、生計を同じくしている子供に該当し、遺族(補償)年金の受給資格者となります。
年金と一時金の受給資格者がいるときは、年金の受給資格者が優先権を持ちますから、本件では、内縁の妻の子である小学校2年生の女の子が第一順位となるのです。