Q16 主婦パートの遺族(補償)給付

主婦パートの遺族(補償)給付

妻がパート勤務先で仕事中に受傷し、死亡しました。
夫、56歳と長男20歳が残されたのですが、2人とも会社員をしています。
妻は10年以上、パートを続けておりいわゆる共稼ぎ状態でした。
この場合、労災保険の遺族補償として、どのような給付がなされるのでしょうか?
また、厚生年金にも遺族給付を請求できるのでしょうか?

A 遺族(補償)年金の受給資格者となるのは、労働者の死亡当時、その収入によって生計を維持されていた配偶者・子・父母・孫・祖父母および兄弟姉妹ですが、年齢制限があり、夫・父母または祖父母については55歳以上、子または孫については18歳未満とされています。
受給資格の、「生計維持関係にある、」 とは、死亡した労働者に扶養されて生活をしていたことですが、夫婦共稼ぎで生活している場合も含まれています。
したがって、本件は受給資格を満たしているのですが、受給権者には、順位が設定されています。

①妻または60歳以上または障害者の夫、
②18歳未満または障害者の子、
③60歳以上または障害者の父母、
④18歳未満または障害者の孫、
⑤60歳以上または障害者の祖父母、
⑥18歳未満、60歳以上または障害者の兄弟姉妹、
⑦55歳以上で60歳未満の夫、
⑧55歳以上で60歳未満の父母、
⑨55歳以上で60歳未満の祖父母、
⑩55歳以上で60歳未満の兄弟姉妹、

優先順位は上記の通りであり、⑦~⑩の該当者では、60歳になるまでは遺族(補償)年金は支給されません。 これを若年停止の措置と言います。
本件では長男は20歳ですから、遺族補償年金の受給権者とはなりません。
56歳の夫は受給権者となりますが、若年停止で60歳までは支給停止とされます。

ただし、労働福祉事業として支給される遺族特別支給金の300万円は直ちに支給されます。
さらに、労働者の死亡直後の遺族の出費を考慮して、遺族(補償)年金の前払い一時金制度が用意されています。これは若年停止であっても請求ができるのです。
給付基礎日額の200日、400日、600日、800日、1000日分から請求者が任意に選択ができます。
最後に葬祭料は、31万5000円に給付基礎日額の30日分を加えた額となります。
この合計が給付基礎日額の60日分に満たないときは、給付基礎日額の60日分が支給額となります。