A 企業と直接請負契約を結び、個人事業主として業務に従事する形を個人請負と言いますが、労働法の規制を免れるために、労働者を個人請負と詐称して不当に安く働かせる事例も多発しています。
労働基準法9条では、職業の種類を問わず、事業に使用される者で賃金を支払われる者を労働者といい、事業に使用される者とは、使用者の指揮監督の下に労働を提供する者のことです。
日常、会社に出勤し、会社名の入った名刺を持ち歩いていれば、先の理屈は全く通用しません。
最高裁判決では、
契約書がどうであれ、労働の事態に労働者性があれば、労働者とみなすとしています。
①出社義務があったのか?
②会社の就業規則の適用がなされていたか?
③就労時間について、管理されていたか?
④業務について、具体的な命令、監督はあったのか?
⑤他の会社の仕事との兼業は禁止されていたか?
⑥会社との間で仕事に関し、諾否の自由が認められるのか?
⑦作業場所が決められていても、作業が完了すれば、自由であったのか?
⑧労働者の判断で、補助者を使用することが可能であったか?
⑨他の従業員と比較し報酬が高額か?
⑩賃金なのか、業務請負報酬か?
⑪事業所得として申告をしているか?
労働基準監督署は、労働者性について、上記実態を総合的に勘案して判断することになります。
これで悩んでおられる被害者は、労働基準監督署よりも先に交通事故110番に相談してください。
個人請負では、労働法の対象外ですから、労災保険、雇用保険の対象からも外れます。
仕事で怪我をしても、なんの保証もありません。
賃金が最低賃金を下回っていても罰せられません。
健康保険や年金も国保と国民年金となります。
源泉徴収もされません。
収入については、確定申告をして、税額を確定する必要が出てきます。
会社から個人請負だと言われて、働き方に疑問を感じたときは、NPOジコイチに相談です。